地理研究部3 地図の図法-2
前回紹介していない図法についてみていこう。
穂高「いきなりだけど、サンソン図法の地図を持ってきた。経線が正弦曲線でできていて、面積と緯線の長さの比は正しくなるのが特徴。」
美月「地図帳のアフリカ大陸の地図は、大概これでできてるはず。形が歪まないから。」
穂高「でも、ヨーロッパや日本の地図では見ることはない。」
美月「アフリカは歪むけど、その歪む割合は小さく、一方でヨーロッパや日本では大きくなるから。要するに...」
穂高「赤道上の任意の点から外れていくと形が歪むから、赤道付近の地図に用いることが多いからそうなってるだけのこと。」
美月「で、そんな高緯度に向けて使う地図が、モルワイデ図法。」
穂高「サンソンとモルワイデのどちらも正積図法という点では変わらないけど、こっちの方が周辺部でも形がそこまで歪まない。」
美月「ということは、利用法もたいした違いはない。ということね。」
穂高「その通り。そんな二つの図法は、引っ付けることで威力を倍増させる。」
美月「グード図法ね。」
穂高「緯度40度44分より赤道寄りはサンソン図法、極点寄りはモルワイデ図法で描かれる。」
美月「その緯度だと大体五所川原、三沢、北京、アンカラあたり。」
穂高「あと、ニューヨークもそうなる。」
美月「これ、地理が苦手な人にも通じるかなあ。」
穂高「地名がわからない人は地図帳を見ましょう。そうすればわかるから。」
美月「穂高くん、かっこいい!」
穂高 (顔を少々赤くしている。)
美月「あと、いくつかいい?」
穂高「かまへんよ。」
美月「ダイマクション地図。」
穂高「展開図にしてみた地図だね。けど、二つの図面は全然違うように見える。」
美月「そりゃ、目の錯角だね。」
穂高「>--< <--> こういうヤツみたいな。」
美月「そう、そういうこと。もし良ければ、コロナの最中は 今週のお題でもある #おうち時間 になっているしょうから印刷してコピーしていってください。このブログ内の図表は特記がない限りWikipediaまたはフリー素材からの引用なので。」
穂高「ちゃっかり宣伝していくスタイル。」
美月「あとウォーターマンの蝶形投影図はどう?」
穂高「だいぶえげつないの持ってくるな。」
美月「正八面体かと思いきやそうではないし。」
穂高「正三角形の図だってある。Lee conformal world in a tetrahedron、つまりリーによる正四面体での等角地図、とでも訳すのが適当かな。」
美月「わわ、こんなんあるの知らんかったんだけど。」
穂高「そもそもダイマクション地図より後ろは、受験には出ません!なので、この辺は本で言うとコラム的な存在です。ここは。」
美月「あと、数学者ガウスの意外な功績がこちら。」
穂高「スリッパの靴べらにしたくなってきた。」
美月「Carl Friedrich Gauss とJohann Heinrich Louis Krügerという数学者2人が作ったらしい。これでも等角。」
穂高「三角形の図法がもう一つ。フランスの科学者 Édouard Collignon が作成したもの。南半球の拡大が止まらない。」
美月「ハンメル逆方位図法は、もっとえげつない歪みが発生するみたい。この2つを組み合わせて作るらしい。」
穂高「あと米国50州に特化したやつ。まあ、カナダも映るけど。GS50。」
美月「ハワイに行った時、この地図をテレビの天気図で見たことがある。」
穂高「やっぱり地図は奥深いよね。」
美月「架空地域だと特にそう。」